セキュリティ採用の壁を突破──短期間で成果と採用力強化を同時に実現
セキュリティ業界は専門性が高く、人材の質と量が事業成長を左右します。市場に経験者が少ない中で、「どう採用を前進させるか」は多くの企業の悩みです。本記事では、セコネの伴走型採用支援を導入いただいたS&J株式会社様の事例をご紹介します。

S&J株式会社 管理部
島田亜希子様
企業情報
会社名:S&J株式会社 事業内容:サイバーセキュリティ専門企業。SOC による監視運用、インシデント対応やデジタルフォレンジックなど、平時から有事まで一貫したセキュリティサービスを提供 従業員数:109 名(役員・派遣社員などを含む/2025 年 8 月時点) 所在地:東京都港区(本社)
ご利用いただいたサービス
- 伴走型採用支援(フルプラン) 転職サイトのスカウト支援/カジュアル面談支援/面接支援/求人票の作成・改善/週 1 定例ミーティング/面接官研修/自社人事の育成支援など
取材にご協力いただいた方
S&J株式会社 管理部 島田亜希子様
セキュリティ業界は専門性が高く、人材の質と量が事業成長を左右します。しかし転職市場には経験者が少なく、多くの企業が採用の壁に直面しています。IPO を経て成長が加速するS&J株式会社様も、その課題を抱える一社でした。
そこで導入いただいたのが、セコネの伴走型採用支援です。単なる業務代行ではなく、社内に仕組みとノウハウを根付かせることに重点を置き、スカウトの効率化から求人票・面接の改善まで幅広く伴走支援。1 人で採用を担う島田亜希子様に、導入後の変化と成果、そして今後の展望を伺いました。

企業紹介
「平時から有事まで支える」── セキュリティ専門企業の強み
── まず、S&J株式会社様の事業についてご紹介いただけますか。
S&J株式会社 島田亜希子様(以下、島田):当社はサイバーセキュリティに特化した企業です。マルウェア感染や標的型攻撃など高度化するサイバー脅威に対して、平時の予防から有事の対応まで一貫したサービスを提供しています。
具体的には、SOC(セキュリティオペレーションセンター)による監視運用、CSIRT 構築、アドバイザやメール訓練、さらにインシデントレスポンスやデジタルフォレンジックまで幅広くカバーしています。
お客様は大手企業をはじめ幅広い業種にわたり、私たちの業務は社会インフラを支えることにも直結します。
──2023 年には、IPO も実現されましたね。
島田:はい。IPO を経て、成長をさらに加速させる段階です。採用は経営の成長を支える要であり、単なる人事業務ではなく、経営戦略そのものだと考えています。
「1 人採用担当」の現実 ── 兼務しながら採用を進める難しさ
── 島田様の担当業務について教えてください。
島田:私は約 5 年前に中途で入社しました。現在は管理部で中途採用を中心に担当しています。現状、新卒採用は行っておらず、即戦力人材を採用する必要があります。
ただ、私は採用を中心に業務をしつつも、社員フォローの面談や労務や研修サポートなども兼務しています。採用は業務全体の 6〜7 割、残りはその他業務です。つまり「1 人採用担当」です。
── 採用を一人で担うのは大変そうですね。
島田:はい。時間も限られていますし、相談できる相手もいない。限られたリソースの中で候補者を探すのは難しく、効率的に進めるのは簡単ではありませんでした。
「候補者がいない」── セキュリティ業界ならではの壁
── 具体的にはどんな課題があったのでしょう。
島田:セキュリティ業界は非常にニッチで、経験者が市場にほとんどいません。即戦力を中途で採用したくても、母数自体が少なく、そこから自社に合う人材を探すのは容易ではありません。
── 前職でも IT 業界で採用をされていたそうですね。違いをどう感じましたか。
島田:以前は求人広告を出せば応募があり、"良い人がいれば採用する"という受け身でも成り立ちました。
ところが、S&Jでは IPO を控えていたこともあり、人員を積極的かつ計画的に増やす必要がありました。そのため、採用の重要度も高まり、求められるスピード感も桁違いでした。
── 入社されてから、具体的にどのように状況が変化したのでしょう。
島田:1 年目は求人が少なく、対応できました。ただ、2 年目、3 年目と採用ニーズが増えるにつれて状況は厳しくなります。2024 年には人手不足の危機感が一気に高まり、従来のやり方に限界を感じました。
── その頃、打開策を考えるきっかけは何かありましたか。
島田:他社の採用担当者が集まる勉強会に参加したことです。多くの IT 企業が「スカウト型採用(=ダイレクトリクルーティング)は面倒でやらない」「送っても成果につながらない」と口を揃えていました。逆に私は、きちんとスカウトをやり切れば差別化できる、むしろそこにチャンスがあるのではないかと強く感じました。
セコネとの出会い ── セキュリティがわかる人だから任せられる
── そんな中で、セコネに出会ったきっかけを教えてください。
島田:代表の高田さんとは、前職で人材紹介会社にいらした頃からのお付き合いがあります。 当時からご紹介いただく候補者は少数精鋭で、ほとんどが有効応募でした。
その高田さんがセキュリティ分野に特化した採用コンサルタントとして独立されたことで、数ある企業のひとつとして扱われるのではなく、自社の状況に寄り添いながら伴走してくれるのではと期待していました。
── 他の採用コンサルティング企業と比べて、セコネならではの違いは何ですか。
島田:やはり IT やセキュリティ領域への理解度の高さです。現場の要望や専門的な会話がそのまま通じる点が大きな違いだと思います。
私も IT 人材採用の経験はありますが、技術者ではありません。専門用語が多くなると理解しきれない部分もあり、自分なりに資格を取って勉強もしましたが、深い技術的な話までは追いつけない場面がありました。その差が求人票の表現や候補者への伝え方に影響していたと感じます。
── セキュリティ領域は特に専門的な要素が多いですよね。
島田:そうなんです。一般的な採用コンサルタントの場合、まず「セキュリティとは何か」という段階から説明しなければならないこともあります。その点、セコネには最初から専門用語が通じ、現場の状況や背景まで理解してくれる。だからこそ任せられると感じましたし、この信頼感がセコネを選んだ大きな理由になりました。
成果につながった 3 つの改善 ──「スカウト・求人票・面接」
── 導入前後で、どのような効果や成果がありましたか。
島田:大きく 3 つの改善がありました。まずはスカウト活動です。
スカウト活動の改善「700 通送っても返信ゼロに近い日々からの脱却」

── 導入前、スカウトはどのような状況でしたか。
島田:ツール自体は導入していましたが、正直に言うとほとんど使いこなせていませんでした。忙しいと 1 週間ログインしないこともありました。
それでも 700〜800 通送ったこともありましたが、返信率は 1%未満の時もあり、反応がほぼゼロに近いこともありました。むしろ「なぜ自分に送ったのか」と候補者から指摘を受けることもあり、精神的にこたえましたね。結果として「これだけ送っても成果が出ないなら意味がないのでは」と感じ、スカウト自体が負担になっていました。
── セコネ導入後、どのように変わったのでしょうか。
島田:まず、スカウトメールの書き方から大きく変わりました。書き出しの一文を見た瞬間、「今まで見てきたものと全然違う」と驚いたんです。候補者目線が徹底されていて、「これなら開きたくなるし、返信したくなる」と素直に思える内容でした。
これまでにも他社のセミナーや動画などでスカウトの工夫を学んだことはありましたが、セコネのアドバイスはそのどれとも違いました。候補者にどう見てもらい、どう読んでもらうかをとことん追求している。 その結果、単に返信率が上がるだけではありません。候補者から「自分の経歴をきちんと理解してもらえている」という反応が返ってくるようになりました。やりとりの初期段階から志望度が高まっていると実感しています。
── 実際の成果はいかがでしたか。
島田:導入前と比べて、スカウトの反応は確実に良くなっています。実際に返信をいただき、面談につながるケースも増えてきました。返信があると「次も頑張ろう」という気持ちになりますし、さらに届くスカウトを書こうと意欲も高まっています。
求人票の刷新「現場の言葉を、候補者に伝わる形へ」
── 求人票についてはどのような課題があったのでしょうか。
島田:以前は何の疑問も持たず、現場から上がってきた言葉をそのまま載せてしまうことが多かったんです。しかし、実はそこにこそ課題があって、候補者からすると具体的な仕事内容が見えにくく、応募をためらわせる要因になっていました。
── どのように改善されたのでしょうか。
島田:セコネは、現場の言葉の背景をくみ取り、候補者目線で整理してくれる存在でした。
たとえば、現場からの一言の裏にどんなスキルや経験が求められているのかを明確にしてくれるんです。そのうえで、候補者に意図が伝わりやすい形に直すようアドバイスをいただけたことは、とても大きかったです。
── 実際に修正した後は、どのような効果がありましたか。
島田:候補者は自分の経験が業務にどう活かせるかを具体的にイメージできるようになりました。その結果、入社後の「思っていた業務と違った」というミスマッチを事前により防げるようになったのは大きな成果だと感じています。
面接官研修の効果「候補者視点を取り入れた面接改善」
── 面接に関しては、どのような課題がありましたか。
島田:以前は質問が単発で、候補者が「はい」「いいえ」と答えるだけで会話が広がらず、面接官自身も「何を聞けばいいのか分からない」という状態でした。そのため候補者の人となりを深く理解できないまま終わってしまうことが多かったんです。
── セコネ導入後はどう変わったのでしょうか。
島田:セコネに採用に関する研修を開いていただき、例えば「ストレス耐性を見抜くための質問は?」といったテーマを設定し、具体的な質問例や聞き方を教えていただきました。
セコネは現在もセコネキャリア(候補者向けのキャリア支援サービス)を通じて候補者と面談されているので、企業と候補者、双方の気持ちを理解されています。そのため「候補者視点で見るとこう感じますよ」「その質問の意図は分かりますが、候補者からはこう捉えられる可能性があります」といった指摘をいただけるんです。私たちが気づかなかった視点を教えていただけるのは、とても大きな学びになりました。
── 現場の反応はいかがでしたか。
島田:先日も研修を実施した際に、面接官から「今までそういう視点を持って質問してこなかったから、次回から工夫してみよう」「今まで分からず対応していたことが、少し理解できるようになった」といった声が上がりました。それを踏まえて、次の面接では新しい工夫を試そうという動きが出てきています。現場全体の学びにつながり、採用へのモチベーションも高まっていると感じています。
有言実行の信頼感 ── 最初の 3 カ月で結果を出してくれた
── 最初は 3 カ月間のトライアル契約から始められたそうですね。
島田:はい。最初は 3 カ月間お試しで入っていただき、「実績を残します」と力強く言っていただきました。正直、採用という領域でそんな短期間に大きな成果が出るのか半信半疑でした。
ところが実際には、最初に送ったスカウトで候補者とつながり、スカウトから 4 カ月後にはもう高度な専門スキルと豊富な経験を持つ人材に入社していただけたんです。そのインパクトは会社的にも非常に大きかったと思います。加えて、スカウトの返信率改善、求人票の刷新、面接の質向上と、複数の成果を同時に体感できました。有言実行とはこのことだと、安心感が一気に高まりましたね。
── 短期間で成果が出たことは大きな意味がありますね。
島田:そうですね。経営陣も採用の難しさを理解している一方で、「成果が出ないまま投資を続けるのは難しい」という現実もあります。だからこそ短期間で目に見える成果を出していただけたのは、本当にありがたかったです。
契約延長の理由 ── 学びの機会と担当者の成長
── その後、契約を 1 年に延長されたのは、どのような背景でしょうか。

島田:成果が出たことはもちろんですが、私自身が成長できたことが大きいです。スカウト文の作成方法や求人票の書き方、面接での深掘りの仕方など、一人では決して学べなかったことを、伴走の中で自然に吸収できました。
人事担当者は孤独になりがちです。相談相手がいないと、同じやり方を繰り返してしまい、成長の機会を逃してしまう。セコネと一緒に取り組むことで、自分のスキルをも磨けるのは非常に大きな価値です。
── 担当者の成長も、組織全体にとってプラスですね。
島田:はい。私が成長することで、社内での採用ノウハウの共有も進みました。今は現場の管理職がより積極的に関与し、面接改善に取り組んでくれるようになっています。組織全体の採用力が底上げされているのを感じます。
特に満足している点 ── 伴走してくれる安心感
── 改めて、セコネに対して特に満足している点はどこでしょうか。
島田:一番は、常に伴走してくれることです。「困ったらすぐに相談できる人がいる」という安心感は、何よりも大きな支えになっています。
しかもレスポンスが驚くほど早い。質問をすると、すぐに返事が来ます。「本当に休んでいるのかな?」と心配になるくらいですが(笑)、それだけ真剣に向き合ってくださっている証拠だと感じます。
成果を出すだけでなく、精神的な支えにもなっていただいている。これは一人で採用を担う立場にとって、非常に心強い存在です。
今後の展望 ──「採用を超えて、入社後のフォローにも」
── 今後、セコネに期待することはありますか。
島田:転職市場は常に変化しています。今は順調でも、半年後にはまったく違う課題に直面しているかもしれません。その時々で相談できる存在であり続けてほしいと思います。
さらに、採用だけでなく入社後のフォローにも一緒に取り組んでいきたいです。例えば、社員のエンゲージメント向上といったテーマ。採用して終わりではなく、定着し、成長してもらうことが本当のゴール。その部分にもセコネの知見を活かせると期待しています。
導入を検討している企業へ ── プロの伴走で、採用は変わる
── 最後に、導入を検討している企業様へメッセージをお願いします。
島田:私のように一人で人事を担っていると「どうしていいか分からない」という状況に陥りがちです。そんな時は、やはりプロにお願いするのが一番だと思います。
セコネは、IT や人事、セキュリティ業界の知見に加え、候補者の声まで踏まえて支援してくださいます。企業に対してそこまで返してくれるのは、セコネならではだと感じています。そのおかげで「だから候補者は動くのか」「ここは伝わりにくいのか」といった気づきを得られる。この情報量と解像度は他にはない強みだと感じています。短期間のお試しから始めましたが、それがきっかけで今も伴走いただいています。
だからこそ、採用に悩んでいる企業様には、まず一度相談してみてほしい。きっと「こんな方法があったのか」と新しい気づきが得られるはずです。そして何より、セコネは人材が限られるセキュリティ業界において、持続的に採用を進められる体制を共につくってくれる、信頼できるパートナーだと考えています。
本記事が、採用に課題を抱える企業様の一助となれば幸いです。ご協力いただいたS&J株式会社 島田亜希子様、誠にありがとうございました。

※内容は 2025 年 9 月 8 日時点の情報です。